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【メディア(テレビCM等)】特集「キャッチ」 マンホールのふたに広告導入 中間市・若手「特命チーム」の挑戦 (2022/03/09OA)

2022/03/09  youtube FBS福岡放送ニュース
(文面はyoutube動画サイトより転記)

特集「キャッチ」。舞台は福岡県中間市です。 財政難など山積する課題に立ち向かう若手中心の「特命チーム」。 民間企業とタッグを組んで改革の一手として目をつけたのは道ばたにあるマンホールでした。 中間市役所の会議室に集まった4人―。

■神谷さん 「中間市は何もないと言われる機会が多くて 私たちはそれを変えたい」
■原野さん 「少しずつ変えていくチャンスは一職員の力だとなかなかないので 下から突き上げる必要もあるんじゃないか」 中間市の「変革」を訴える市の「特命チーム」です。 いずれも20代から30代の若手職員で異なる部署から集まりました。 4人を突き動かすのは中間市の未来を変えたいという熱意です。 北九州市のベッドタウンとして発展した中間市。 80年代には人口が5万人を超えましたが、今では2割近くも人口が減りました。 その人口減によって中間市が直面しているのは“財政難”です。 2015年度以降、市の財政は赤字続き。 自治体の貯金にあたる財政調整基金は、たった4年で18億円以上減りました。
■伊藤さん 「行政サービスを低下させるわけにはいかないし なおかつ市民の安全安心を守らないといけないので(職員には)通常業務プラス負荷がかかる」 この日、「特命チーム」の会議に加わっていたのは伊藤孝秀さん。 市の職員ではありません。 実は「ソフトバンク」の社員です。 いったいなぜ、中間市に―。 全国の自治体と協定を結び人材を派遣しているソフトバンク。 将来的な事業拡大につながることも視野に社会貢献の一環として無償で行っています。 民間のノウハウを市政に生かしたい中間市も手を借りることに。 中間市のほか、福岡県豊前市など4つの自治体でアドバイザーを務める伊藤さん。 訴えるのは「これまでの常識を疑うこと」。 そして「コスト意識とスピード」です。
■伊藤さん 「1円2円の話も100万円200万円の話も同じですよって。市民の税金を使って事業を起こしてるんですよね」 「やるんであれば少しでもコストが削減されていいものが入るんですよねって」 「自分が主体となって自分の家とか自分の家計とかそういう気持ちで進めないとことは進まない」 資料作りから仕事の進め方まで…。 民間と行政のギャップに4人も戸惑ったといいます。
■原野さん 「やることに関しては初めてのことばっかりなので 感覚としては慣れない」
■神谷さん 「伊藤さんから与えられたことをこなすのに精一杯でスピード感もついていくのにすごく必死だった」 無駄をなくし収益へとつなげる―。 財政難の克服に向けて知恵を絞りました。
■山木記者 「これですかね。この絵柄がついたマンホールが中間市の財政を支えているということです」 特命チームが目をつけたのは市内のあちこちにあるごく普通のマンホールです。 フタに企業の広告が描かれています。 この広告料を下水道を維持するための費用に充てようというのです。 「発想の転換」が生んだ九州初の取り組みです。
■中間市民 「いいんじゃないですか 固定した考えではなかなか新しいことが 起こってきませんから」 広告料は1枚3年間でおよそ30万円。 3社から28個のマンホールに広告がつき、新たな財源が生まれました。 市の下水道課の力も借りて実現に至ったマンホールの広告事業。 ただこれまでは、 部署をまたぐこうした連携は簡単ではありませんでした。
■下水道課 「(これまでは)法令・条例などで定められた中でするので他部署が介入するというのがまずありえない」 「そこの垣根をうまく入り込んでくるのが特命チーム。  これが解決の糸口やったんかな」 「縦割りの意識」をなくす-。 特命チーム1の若手、山口桃華さん24歳はほかの部署の協力を得るため、チームの仕事を理解してもらうことに苦心しました。
■山口さん 「特命チームって何だよとかだから何、なんでそんなことするのというのが多くあった」 「(理解してもらうため)職員向けの報告書を作ってみたりした」 この日、山口さんたちが訪れたのは地元企業の「フロム工業」。 排水溝に設置して生ゴミを粉砕する「ディスポーザー」で、国内シェア1位を誇るこの会社は、マンホール広告も出しています。 さらに、中間市のふるさと納税にも、返礼品として自慢のディスポーザーなどを出品。 市の財政を支えています。
■山口さん 「ふるさと納税の返礼品に登録している業者を応援しようという目的で“note”(SNS)を使っているのでフロム工業を紹介したりできる」 「内容は企業と話して決めているので好きなように、やろうと思えばできる」 山口さんたちはSNSを使った製品のPRなど、市として企業を後押しする新たなプロジェクトを進めています。
フロム工業 「行政が応援してくれることは非常にありがたい」 「民間がお金を出して行政が後押ししてくれればいいですよね」 特命チームの取り組みによって市と民間企業がともに補完し合い新たな活力を生み出す形が見えてきました。
■山口さん 「何か一緒になって恩返しできないかというのは常々私たちも考えていた」 「業者とか民間の方のことを考えての行動が難しいところがあった」 まだまだ課題が山積みの中間市。 一気に解決とはいきませんが民間の発想も取り入れ若い力が新たな風を起こそうとしています。